決まらない茶


二ヶ月ぶりに店を開いて、今月のテイスティングメニューを考えた時に、このお茶を思い出した。

名前がなくて野生の単叢で、標高と樹齢もうちの基準を満たしているが、ずっと紹介していなかった。厳密に言えば春の単叢ではなく、もちろん冬の冬片でもない。冬の終盤、春はまだ少し先の時の単叢。

この手の単叢は何回も飲んだことがあるが、どちらかというと冬に近い。香り高くてスッキリしたが奥行きが足りない。この単叢は、絶妙に冬(冬片)と春(春茶)の真ん中に立っている。コインが立つように。冬の妖艶な花の香り、春の繊細な滑らかさ。

名前がないが香りが芝蘭香系。

ただ、コインがいつでも立つわけがない。淹れると揺れが大きく冬に近い時もたまたまある。前回は絶妙にバランスがよかったが今回はちょっと違う。なかなか決まらない。

面白いので今月店限定のテイスティングメニューに入れることを決めた。


小皿・茶杯:タナカシゲオ

蓋碗:小林千恵

布:曖昧/田島匡芳

© 2020 LEAFMANIA. All rights reserved.       ABOUT ORDER      LEGAL     PRIVACY